年をとり、不幸にして介護が必要になっても
「住み慣れた町で、家族や知人・友人に囲まれて暮らし続ける」
ことが介護保険の理念である(あった)。
残念ながら、介護保険が始まってから
「元気な間は在宅で、重度になったら施設へ入所」が
当たり前のようにみんなの意識に刷り込まれてしまっている。
なぜか? 答えは簡単である。 在宅の重度要介護者の生活を支えられる介護保険サービスがないからである。
施設入所なら、充分ではないにしても24時間常に誰かがそばに居て呼べば来てくれる。頼めばケアしてくれる。 「介護」はサービス提供する側が決まった時間に決まったサービスを提供することではない。利用者が必要とするときに必要なサービスを提供することである。
この当たり前のことが、なぜか介護保険の居宅サービスにはかけている。
要介護度の認定するのに”介護に要する時間”を判断基準に取り入れたのだが事前調査で最も重い人の場合でも”介護に要する時間”は3時間という調査結果が出た。だから訪問介護は一日3時間が上限と結論付けた。
「ちょっと待て!」である。じゃあヘルパーが3時間続けて入っている間に朝昼晩の三食を食べ一日分の排泄が出来るのか?出来るわけがない。3時間という介護時間は判定のための数字であって、生きている人間は、一日24時間の間に朝は朝食、昼に昼食、夜に夕食を食べ、その間に生理的欲求に基づいて排泄をする。「何時何分に排泄しなさい」なんてことは出来ない。お風呂もある、お茶も飲む、お話もしたい。それも自分が欲する時にである。
だから、理想は24時間介護者がそばに居て、要介護者が必要な時に、必要なサービスを提供出来ることである。
公的介護保険は最初からこの介護を切り捨てて始まっている。当然のごとく、在宅介護の要であるケアマネージャーさん達も「重度になったら施設入所」と思っている。
家庭環境・家族関係・経済状況で「施設入所」を選ぶ人も居るだろう。だが、重度になっても「在宅生活」を望む人にも応えられるサービスが選択肢として必要なのだ。
方法はいくらでもある。
昔からある「家政婦・付添婦」は一日泊り込みで12,000円程度で働いている。この人たちを介護保険制度にサービスとして取り込めば一ヶ月36万円、要介護5の人の給付限度額とほぼ同じである。仮に取り込めなくても介護保険と自由に併用できるようにすれば在宅介護はずいぶんと進展すると思うのだがどうでしょう。
厚生労働省は平成13年まで厚生省と労働省に分かれていて、「家政婦・付添婦」は労働省の管轄であった。平成12年の介護保険施行を前に、両省の間で介護労働者の資格認定で主導権争いがあったと聞くがそれが今でも尾を引いているのだとしたら残念な話だ
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